たぴ岡文庫

今宵も語る、どこかの誰かの物語

小説

小説「積み木」

つ【積み木】結局崩さなくてはならないもの

小説「散る」

ち【散る】最も寂しさを感じる瞬間のひとつ

小説「太陽」

た【太陽】美しいもの、また私たちの生の足掻きを見守ってくれるもの

小説「想像」

そ【想像】彼は私を助ける

小説「世界」

せ【世界】彼は私たちを見捨てる

小説「鈴」

す【鈴】美しい音色と共に異世界へとさらって行くもの

小説「幸せ」

し【幸せ】誰もが求めるそれは、蜃気楼

小説「騒がしい」

さ【騒がしい】幸せなことのひとつ

小説「コマ」

こ【コマ】神々の遊びに使われる人間のこと

小説「消しゴム」

け【消しゴム】結局は何も消してくれない

小説「首筋」

く【首筋】嘘が見え隠れする、または縄の跡が一番美しく残る場所

小説「君」

き【君】「私」を支え、また狂わせるもの

小説「影」

か【影】どこにでもいて、嘲笑ってくるもうひとつの自分

小説「大空」

真っ赤な太陽に見下されながら、私はただひとり、燃えるようなアスファルトに寝転がっている。自然が作り出したこの鉄板の上で、昔よく歌われていたたい焼きの気持ちになるのだ。 しかし暑い。暑くてたまらない。 首の向きを変え、右を見てみようが、左を見…

小説「永遠」

え【永遠】終わりが来ない/死を迎えても終わらない

小説「渦」

う【渦】どんなに汚いものでも飲み込み、なかったことにしてくれる

小説「色」

い【色】一人ひとつ持っているもの/美しく儚く、しかし醜いもの

小説「愛」

あ【愛】時にそれは狂気へと変わる

小説「虚無」

僕は今日「虚無という日」を生きた。 手のひらの中にも、このポケットの中にも、君の顔にも、虚無があった。何もなかったんじゃないさ。そこにはただひとつ、確かに虚無があったんだ。 ほら、君はそう言うと思った。そんなものあるわけないって言いたいんだ…

小説「幸せな悪夢」

*人間を食べる描写があります。ご注意ください。 不気味な夢を見た。気味が悪くて吐き気がする、でもその中にも大きな幸福が横たわっているような、そんな悪夢。 内容はほとんど覚えていないのに、その不快感は鮮明にこの喉に残っている。首を絞められるよ…

小説「私は」

私は何か、貴方にひとつでも残せていますか。私は何か、貴方の心に残ることをできていましたか。私は何か、貴方の記憶に刻めてますか。私は何か、貴方を傷つけてやしませんか。私は何か、貴方から奪ってはいませんか。私は、私は。 貴方のその表情、私に何を…

小説「恋する君の」

「好きな人ができた」 君は言った。 例えば、知っていても気付きたくないことがある。それは僕の気持ちの話であり、君の心の話でもある。君があの子のことを好きだと、僕は知っていた。だってあの子を見る君の熱心な瞳や、優しいその姿勢を、嫌という程たく…

小説「僕は僕で、君は君。」

僕の夢は僕のもの。君の夢は君のもの。そこには境目がハッキリと書いてあって、僕と君は全然違うものなんだよ。僕は僕だし、君は君。それは間違えちゃいけないんだ。曖昧になっちゃいけないんだよ。 でも、もし、もしもの話なんだけど。いつの日か、境界線が…

小説「エンドレスゲーム」

夢を見た。まるで世界が終わるみたいな、そんな夢。 俺はとてつもなく広い草原に一人で立っていて、周りには何もない。こんなこと有り得るのかってくらい雲ひとつない晴天。何となく転がりたくもなるような、最高の天気だった。しばらく気持ちのいい風に当た…

小説「貴女だけが救い」

*うつ病や死を仄めかす表現がございます。ご注意ください。 あぁ、もう薬が切れてしまった。何をする気力もない。ベッドから起き上がることも、追加の薬をもらうために病院に行くこともできやしない。今受信した連絡を見ることだって、できないんだ。 今度…

小説「君を愛しているから」

君に話したいことがいくつもあるんだよ。本当は少し前から考えていたことさ。どうしても言っておきたいことなんだ。……そう、絶対にね。 僕ね、たぶん、君のことが大好きでたまらないんだと思う。だってさ、聞いてよ。あんなことがあったのに、いや、あんなこ…

小説「雨にうたれて」

「もう、君とは会えない」 そんな冷たい言葉で突き放された。私の鼓膜を震わせたのは、貴方の声なんかじゃない。ただの機械音。どうして直接言ってくれなかったの。とめどなくあふれるこの感情は、貴方に届きもしない。落ちていくだけ。私も一緒に底まで連れ…

小説「世界で一番幸せな僕」

風を感じる。何となく、生きているんだと自覚させられる。しかし、こんなタイミングでそんなことを説かれても、僕は困るばかりだ。 みんな、何をしているのかな。僕を嫌いな君たちは、何も感じたりはしないだろうな。僕の気持ちなんて少しもわからないお前た…